新年のご挨拶
理事長 工藤壽和
会員各位、ご家族御一同様、穏やかな新年をお迎えのこととお喜び申しあげます。
この稿を記している令和2年11月下旬、日本のみならず世界中を席巻する未知の感染症・新型コロナウイルスは感染拡大が収まる気配をみせず、新しい年の珠算教育を取り巻く環境に影響を及ぼさないか、懸念が消えません。
令和2年は「コロナの嵐」をまともに受け、学校一斉休校・教場の自主閉鎖等の逆風が新学期とも重なり、会員各位の希望の春を奪った結果となりました。
本部では4月・6月と2度の検定試験の延期を余儀なくされ、当然のように実施されてきた全国珠算研究集会、全日本珠算選手権大会をはじめとする多くの事業を見送らざるを得ませんでした。
結果、連盟会計では令和元年度決算において甚大な正味財産が失われました。これらの危機のなかで諸氏の努力に報いられなかった事実を重く受け止めつつも、会員諸氏、先人たちが残してくれた財産がこの危機を救ってくれたことには、感謝のことばしかありません。
一方、この禍のなか、事業を展開する工夫・改善が図られ、オンラインによる会議・講習会の実施、教室でのオンライン授業という副産物を生み出したことも事実です。
昨年に実施された支部代表者との意見交換会では、次の3つの優先的な施策に対して取り組みを示しました。
①本部・支部事業の立て直し
②検定試験の正常化
③全珠連フラッシュ暗算検定の定着と普及
「新しい日常」が叫ばれるなか、いままで「当たり前に行ってきた事業の正常化」に向けて舵を切り、直面する課題に一つひとつ対処し、それ以外にも珠算教育の浮揚に対する施策への取り組みは常に持ちたいと思います。
令和3年は連盟が公益法人の教育団体としての役割と珠算学習振興の「両輪回復」を目指す年となります。連盟はコロナという未知の相手に対して多大な犠牲を払ったが、珠算教育者の絆は強まり、対処する経験・知恵を持つことができました。
医療従事者・関係者に感謝をしつつ、「正しく恐れて」防御・備えを怠らず、本年の会員各位のご健勝とご活躍を祈念し、来る喜びの春・希望の春の新学期をともに迎えたいと思います。